葉山のぺりぺりです。大手米国外資系企業ファイナンス部門でで20年間お仕事をしてきました。
その経験をもとに、外資系企業ファイナンス部門についてどんなことをやっているのか紹介したいと思います。ただし、私が勤めた大きな外資系ではこうでしたが、小さい外資系には当てはまらないかも知れません。企業ごとにやり方が違うので、参考程度に見てください。
ファイナンス部門ってどんなところ？ファイナンスで働きたい！と思っている方のお役に少しでも立てればと思います。
外資系企業ファイナンス部門とは
外資系ファイナンス部門に大きく分けて二つの部門が存在します。一つ目は経理（アカウンティング）二つ目は ファイナンス部門です。
アカウンティング部門はいわゆる経理の部署で、すでに起こった企業活動を正確に記録して財務諸表を作って正確性を担保する部署になります。
ファイナンス部門は将来の数字をビジネスパートナーとして一緒に作っていく部門になります。日本の会社にはほぼ無い部署になります。
それぞれ詳しく見ていきます。
アカウンティング部門
アカウンティング部門は過去の数字を正確に帳簿に落としていくことが仕事になります。日本の経理とほぼ同じ業務内容です。
アメリカの会社であればアメリカの会計基準を使って帳簿を作ります。
近年アウトソース化やシェアードサービス化が進み、日本には仕事が残らない傾向が大きいので外資系でアカウンティング職でこれからやっていくとう方は考え直した方がいいかもしれません。
主な業務は以下になります。
月次の締め作業 レポーティング
アカウンティングの重要な仕事は、毎月締めを行い毎月の実績を固めることです。締めた数字が正確であるか証憑をつけて正確性を担保します。
また本社が決めた方式でレポートを提出します。本社は全世界からの数字をまとめて株主に報告します。
税金計算、監査対応
税金計算、各種の監査対応などを行います。これらの業務は第三者機関の税理士法人や、専門機関と連携して資料を提供する作業がアカウンティングの業務であることが多いです。
シェアードサービス、アウトソースのコントロール
外資系企業はアカウンティングをシェアードサービス化、もしくはアウトソース化するところが多いです。それらのサービスをアカウンティング部門がコントロール、サポートします。
シェアードサービスとは、他の国で行なっている支社の作業をを一箇所でまとめて行い効率化を図るシステムです。現在多くの外資系企業の経理業務や、人事機能、IT部門などはシェアードサービスが作られる傾向にあります。
ただし、シェアードサービスに全てを任せられると言ったらそうではありません。日本の特殊事情を組み込むために、日本側からの監督、コントロールが必要になります。
その監督、コントロールも日本のアカウンティング部門が行います。
ファイナンス部門
ファイナンス部門は主に将来の数字を作成し、その将来の目標を達成するために経営陣と一緒に行動する役割を担います。
予算策定 アップデート 着地予測
ファイナンス部門の重要な役割は予算の策定です。年間の予算を作成し、3ヶ月ごとに予算のアップデートを行い、最新の着地予測を出します。
週次や月次の売り上げの予測を提出することもあります。
策定した予算やアップデートと実績を比べて進捗をモニタリングし、予算に届かない際はビジネス側と一緒に予算を達成できるようにリカバリーアクションを作りビジネス側と一緒に実行するのもファイナンスの仕事です。
月次の締め、レポーティング、本国への報告
月次の締めの後に、予算と比べ進捗を確認していきます。大体本社への報告のレビューが月次に設定されていて対予算、対昨年と差異を説明し、なぜ予測と実績に差が生じて、その差をどう埋めていくのか、を説明します。
外資系の会社はこのレビューが大好きです。とにかくビジネスに予算通りの数字を叩き出させるために、現状を説明させ、今後のアクションを出させて実行させます。
特に予算との差異が出ている時に長時間のレビューになることもあります。
中長期計画
3年から6年ほどの長期計画を作る会社が多いです。経営陣と一緒に策定を進めますが、市場の分析、競合の動き、環境分析などから始まり、今後取っていく戦術を描き、未来を描いていきます。
そこに財務関連の数字を入れていきます。売り上げ、利益、バランスシートの項目まで数字を作ってき、戦略をもとにした数字の未来予想図を作っていきます。
プロジェクト
ファイナンス部門はたくさんのプロジェクトに参画します。お金のかかる投資は、規模によりますがファイナンス部門の検討と承認が必要になってきます。
ファイナンス部門が理解でき、納得する数字の目標かどうか検証して、目標通りの数値を上げられる可能性が高いプロジェクトかを見極めて承認するのがファイナンスの役割です。
好きなのは、ファイナンス部門：その理由
ファイナンス部門は経営陣の一部として重要な役割を担い、共にアクションをとっていける重要なポジションで、私は大好きです。
私は長年ファイナンス部門で仕事をしてきました。マネージャーでは無いスタッフの時から、事業部長、営業部長、マーケティング部長、人事部長などの経営陣と一緒に、予算を策定し、その予算を達成する為の戦略を練り、実行し、毎月チェックし差異が出たらさらにアクションを練り実行するというサイクルを回してきました。
ビジネスの中核にいつも居られることにやりがいを感じられましたし、良い結果につながれば、ビジネスの仲間と一緒に喜びあえ、達成感を感じられる最高の部署だと思っています。
まとめ
以上、米国外資系企業のファイナンス部門｜どんなところ？でした。
外資系企業のファイナンス部には主に二つの部署があります。アカウンティングと、ファイナンス部門です。アカウンティングは過去の数字をまとめる部署、ファイナンス部門は未来の数字を作るための部署です。
ファイナンス部門を、お勧めします。理由としては経営陣と一緒に戦略を練り、アクションを実行し会社を動かしているという実感が得られるからです。
しつこい力💪は人生を切り開く。外資系企業で優秀な仲間と働くことで視野が確実に広がります。そしてファイナンスの役割の大きさを感じられると思います。
みんなで良い人生にしましょう〜。
ぺりぺりでした！
