葉山のぺりです! 大手外資系企業ファイナンスで20年間お仕事をしてきました。
みなさん外資系企業にどういうイメージを持っていますか? 「実力主義」 「給料が高い」 「自由なワークスタイル」「すぐクビになる」 などでしょうか。
特に「すぐクビになる」 は外資系企業に転職するときに、みんなふるえ上がる点ではないでしょうか。
結論、「すぐクビになる」は 正しくないですが、まちがってないです。
外資系への転職はリスクも正しく理解して、飛び込みましょう。この記事では外資系に転職する前に知っておきたい、「すぐクビになる?」を解説し、その上で我々ができることを深掘りします。
外資系ってどんなところ? 飛び込む前に知っておこう!
外資系企業は完全実力主義です。終身雇用、年功序列などの制度は一切ありません。 最近の日本企業もそこら辺はシビアになってきたと聞きますが、まだ外資系企業のドライさ、冷たさには及ばないイメージがあります。
外資系企業は非常にシビアです。 真面目にやっているから、頑張っているから、それでいいじゃん! などという世界はどこにもありません。
営業なら予算として渡された数字が達成できたか、間接部門であれば目標に入れていたプロジェクトなどを成功できたか、サポートしている部署の予算を達成できたかなどで評価されます。
数字で表せない項目に対して評価は人の判断が入ってきます。 評価する上司にも大きく運命が左右されます。完璧な評価制度はどこにも存在しません。評価するのは所詮人です。ブレることもあります。
どんな条件下でも、自分の力で生き残れる人が、外資系企業には向いていると言えます。
すぐクビになるって本当?
「外資系はすぐに人をクビにする」とよく耳にします。確かに実力主義社会ですが、日本においてはそう簡単に人をクビにできない法律があります。日本の従業員は手厚く守られています。
ただし、それは建前であり、社員に会社から退場してもらう方法はあります。退職勧告です。
労働者を守る法律:労働基準法 本当に守ってくれるの?
実力主義がいくら適応されるからといって、あなたは出来ないので、明日から来なくていいです、という解雇は流石に日本国内ではないです。 労働基準法があるからです。
労働基準法の元で解雇できる条件
労働基準法では、従業員がいくら出来ない、実力がないなど、従業員に非がある場合でも、解雇が「客観的に合理的な理由」があることと「社会通念上相当である」と認められなければ解雇することができないと定められています。(労働契約法第16条)
そして企業がやむをえず従業員を解雇する場合、少なくとも解雇を予定する日の30日前に予告しなければならないと定めています。(労働基準法第20条1項)
よって日本の外資系サラリーマンは、労働基準法である一定は守られているし、簡単には会社は従業員を切り捨てられない、一方的なくび、解雇をすることは難しいということです。
企業側の切り札 PIP!
PIPは評価が悪い従業員を更生させるために、一定期間を定めて評価者と合意した目標を設定して、改善アクションを実行するプログラムです。
PIP後パフォーマンスが上がったのであれば、会社も従業員もハッピーです。通常業務に戻ります。
ただし、改善が見られなければ、給与を減らされたり、異動させられたり、退職勧告を受けて従業員合意の元という名のもとに、会社を去る人もいます。
企業側はPIPを行ったことで、改善の機会を十分与えたという証拠を残します。
企業の切り札 退職勧告!
PIPを経なくても、企業側は従業員との合意のもと会社を去ってもらえます。退職勧告です。退職勧告は、企業側からクビにするというわけではなく、従業員も同意して初めて成立します。
従業員が納得しなければ、通常に勤務し続けることはできます。その結果PIPに引っかかる可能性はあります。
従業員も成果主義前提で外資系企業に入ってきますので、会社の言い分に従わざるおえない場合が多いです。
上司から、「あなたは実力がない」「期待していた成果を出せていない」と言われて、上司に反論して「私は実力発揮しています。あなたは間違っています!」 などと言って、その状況を改善させるために会社に居続けて頑張るという強いマインドを持っている人は少ないのではないかと思います。
このような退職勧告がなされて、退場した人を私はたくさん見てきました。
黙って退場するのは日本人の弱いところだと思います。アメリカ人なら訴訟が何百件も生まれています。
従業員サイドは自分を評価してくれないところに粘って居続け不毛な時間を過ごすよりも、スパッと辞めて次に進んだ方が良いと考える人が多いです。
ただし、タダで退場してはダメです!最後に反撃しましょう。
従業員ができること:ガーデンリーブを獲得しよう!
退職勧告を受けて、「あなたは期待外れだったわ」と言われて、「そうだよね、確かに自分は失敗した、あなたのいうとおりです。さようなら、もう2度と会いません」と 綺麗に去る必要はありません。
Garden leave (ガーデンリーブ)を必ず勝ち取りましょう。
ガーデンリーブとは
ガーデンリーブ(Garden leave)は、従業員が退職の際に、一定の期間、労務を免除されて、給与を支給され、その期間に競合他社で働かないと合意する契約のことです。
多くの場合、退職勧告された従業員がすんなり企業から退場するために、一定期間給与を払うので、その期間に次の就職先を決めてね、という時に多く使われます。このガーデンリーブによって不毛な争いごとから企業も解放されます。
最後に少し戦ってみよう!
日本ではガーデンリーブは平均3ヶ月、長くて6ヶ月くらいと言われています。まず退職勧告されたら、なるべく長い期間のガーデンリーブを勝ち取りましょう。
従業員が退職勧告に不服で争う態度を示せば、長いガーデンリーブを勝ち取れる可能性は十分にあるでしょう。企業側も裁判になるのは絶対的に避けたいです。
退職日も交渉しよう!
また、退職日も交渉しましょう。退職日は30日後ですと言われたら、はいそうですか、と従ってはいけません。再就職は退職日から日にちが経てば経つほど難しくなります。
退職日前に次の転職先を決めたいですよね。ガーデンリーブを3ヶ月分交渉できたら、退職日も3ヶ月後にしてもらいましょう。ガーデンリーブの期間は通常の給料として毎月お金をもらえます。
就職が決まった時は、残りの期間のガーデンリーブ分はまとめてもらえるように交渉しておきましょう。
まとめ
以上、外資系企業に転職するリスク|すぐにクビになるって本当? をお伝えしました。
外資系企業への就職は、リスクを伴いますが、成功すればリターンも大きいです。
大きなリスクがあったとしても、しっかり理解の上、挑戦してください。外資系企業はとても楽しいこともたくさんあります。
リスクとしては退職勧告をされるリスクです。ガーデンリーブや退職日を交渉する強さを持ちましょう。
しつこい力💪は人生を切り開く。クビになるかもとビクビクするよりも、日々自分に実力をつけてどんな所でもやっていけると自信を持って人生を突き進みたいものですね。そのためには日々勉強です。
どこでも生きていける人間になれるように努力していきたいです。
ぺりでした!