葉山のぺりです! 大手外資系企業ファイナンスで20年間お仕事をしてきました。
会社員の皆さん、株式投資していますか? 企業から分配される配当金は嬉しいですよね。2024年の3月には日経平均株式がついに4万円台になって、日本株も盛り上がり高配当の株式投資ブームが到来しています。
その中で忘れてはいけないのが配当金にかかる税金です。配当金には20%ほどの税金がかかっているんですよ。この税金は配当金が振り込まれる時点で、天引きされているので意識できていない人が多いと思います。
天引きされて、それ以上何もアクションをとっていない人が大多数なのではないのでしょうか。
でもちょっと待ってください!!その税金帰ってくるかもしれませんよ! 配当控除を利用して最大15%取り戻せる人もいます。 クレジットカードの過払金の宣伝みたいですね(笑)
今回は配当金にまつわる税金の勉強をして、今年の確定申告で払った税金を取り戻しましょう!
のほほんと暮らしていると高い税金、社会保険をただ払い続けることになります。それより知ることによって、搾取される人からコントロールできる人になりませんか? その為に一緒に勉強していきましょう!
自分のお金を守るために「配当金の税金」の勉強をしよう!
「配当金の税金」について以下の項目で勉強していきましょう
- 配当金にまつわる税金を知ろう
- 配当金に関わる税金の納税方法3つ
- 配当控除を使って所得税をお得にできる!
- 実際の計算方法を例で見てみよう!
それでは詳しく見ていきましょう!
配当金にまつわる税金を知ろう
株式からの儲けにかかってくる税金は、所得税と住民税の2つあり、合計で20%ほどの税金がかかります。
株式からの儲けは、企業からの分配金である配当金と、株式の売買益です。これらのに20%かかります。この記事では配当金をメインに話していきます。
20%の内訳は以下です。
例えば、1000万円株式を持っていて、配当利回り2%で、20万円の配当金があったら20万円x20%=4万円は税金で持ってかれてしまうということですね。
上記は国内株式に対する配当金の税金で、海外の株式を運用している場合は、現地での税金が課税されて、日本国内では20%の税金が取られます。米国株を持っている場合は現地で10%取られ、日本で20%、合計30%取られることになります。(注意点はこれから説明する配当控除は外国株式には残念ながら使えません。)
税金って高いですね。
配当金に関わる税金の納税方法3つ
配当金に対する税金の納税方法は3つあります。
申告不要制度
配当金が振り込まれる時に自動的に源泉徴収され税金の20%が引かれているんです。証券会社で投資口座を作る際に、特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば、天引きの対象になります。
申告不要制度は確定申告をやらずに自動的にマックスの税金が取られているので、あとはほったらかしにしておけばいいという親切な?制度です。一番簡単ですよね。
確定申告が必要な 総合課税制度と申告分離課税制度
総合課税制度と申告分離課税制度を選ぶと、確定申告をする必要が出てきます。
総合課税制度は、配当金以外の他の給与などの所得と、配当金を足し合わせて税金を計算する方法です。この制度を利用する場合、配当控除が使え、源泉徴収の20%よりも税金が安くなる人たちがいます。結論900万円以下の所得の人なら20%より税金が安くなります。
申告分離課税制度は、配当控除は使えないので、今回の記事ではスキップしますが、他の株式から出た売却損と配当で損益を相殺することができ、天引きされた税金を取り戻すことができます。
以下3つの納税方法のまとめです
① | ② | ③ | |
申告不要制度 | 総合課税制度 | 申告分離課税制度 | |
確定申告 | 不要 | 必要 | 必要 |
特徴 | 配当金が振り込まれる際、源泉徴収で税金20%天引きされる。 | 配当以外の他の所得と合算して所得税を計算 | 他の株式で出た売却損などと損益通算することができお得なケースもある |
配当控除 | 使えない | 使える | 使えない |
配当にまつわる税金は証券会社で特定口座(源泉徴収あり)を選択していれば入金と同時に天引きされてるんですが、確定申告をして配当控除を使うことによって、最大15%が戻ってくるんです。
配当控除を使って所得税をお得にできる!
総合課税で確定申告すると、配当控除を使えます。控除の復習ですが, 控除は「差し引く」という意味です。税金を安くしてくれる魔法の呪文なんです!
控除には所得控除と税額控除があり、この配当控除は税額控除で、税金から直接差し引かれるので更にパワフルなんです。
控除についての詳しい記事よかったら読んでください
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配当控除
配当控除は、所得税、住民税両方で使えます。配当控除は所得の金額と所得税か住民税かによって控除の金額が変動します。
お得になる人
所得税は課税所得が900万円以下の人は、総合課税で確定申告することによってお金が戻ってきます。特に330万円以下の人は配当金にかかる所得税はゼロになります。
一方住民税で配当控除を使うと総合課税制度を使うと逆に不利になります。なぜなら住民税の配当控除が少ないからです。
所得税と住民税で異なる申告方法を選択ができるんですが、その場合別途、住民税は総合課税制度を使わないという申告が必要になります。
具体的な税率まとめ
以下配当控除の%です。おさらいですが、所得税は累進課税制度で所得の額によってかかってくる税率が違います。住民税は一律 所得に対して10%課税されます。
所得税に配当控除を使用したときの税率
課税所得金額 | 累進税率 | 配当控除 | 配当控除使用時の 配当に対する税率 |
源泉徴収税率 |
195万円以下 | 5% | 10% | 0% | 15% |
195万円超~330万円以下 | 10% | 10% | 0% | 15% |
330万円超~695万円以下 | 20% | 10% | 10% | 15% |
695万円超~900万円以下 | 23% | 10% | 13% | 15% |
900万円超~1,000万円以下 | 33% | 10% | 23% | 15% |
1,000万円超~1,800万円以下 | 33% | 5% | 28% | 15% |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40% | 5% | 35% | 15% |
4,000万円超 | 45% | 5% | 40% | 15% |
配当控除は配当金の10%から5%です。課税所得1,000万円以下が10%、1,000万円超で5%になります。
配当控除は税額控除なので直接税金から差し引けます。具体的な例は後述しますが、配当金に対しての源泉徴収は所得税 一律15%に対して、配当控除を使用すると配当金に対する税率が、330万円以下の所得の人で0%、つまり 15%源泉徴収した税金が確定申告で返ってくるんです!
900万円以下でも13%になるので、15% – 13% = 2%分が確定申告すると返ってくるのです!
ちなみに、ここで言っている課税所得は年収ではないです。いろいろな控除を引いた後の所得なので実際の年収はもっと上になります。
多くの人は、確定申告した方が得なのです!
住民税に配当控除を使用したときの税率
課税所得金額 | 住民税 一律 |
配当控除 | 配当控除使用時の 配当に対する税率 |
源泉徴収税率 |
1,000万円以下 | 10% | 2.8% | 7.2% | 5% |
1,000万円超 | 10% | 1.4% | 8.6% | 5% |
一方住民税ですが、配当控除は最高 2.8%になります。源泉徴収をしたときに取られる5%の方が残念ながら特になってしまいます。
所得税は配当控除を使用して、住民税は源泉徴収税率での二刀流が良いです。その場合 住民税は確定申告しませんという申請書を出す必要があります。
お近くの市町村の役所に問い合わせましょう。
実際の計算方法を例で見てみよう!
最後に2つの例を紹介します。頑張ってついてきてくださいね。
例1
上記の条件の場合、通常の所得税率は5%、配当控除が10%もらえます。
所得税から更に配当控除を引けるので所得税は0円になります。
源泉調整で収めた所得税分3万円がまるまる返ってくるんです!
例2
上記の場合、所得税率は累進課税で20%、配当控除が10%もらえます。
課税所得金額 | 累進税率 | 配当控除 | 配当控除使用時の 配当に対する税率 |
源泉徴収税率 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 10% | 10% | 15% |
この場合源泉徴収で収めている所得税3万円から2万円を引いた1万円が確定申告することによって返ってくるんです!
まとめ
以上、お金の勉強って楽しい!|配当金の税金について知ろう。配当控除で最大税金を15%取り戻せます! をお伝えしました。
配当金の税金について以下学びました。
- 配当金にまつわる税金を知ろう
- 配当金に関わる税金の納税方法3つ
- 配当控除を使って所得税をお得にできる!
- 実際の計算方法を例で見てみよう!
配当控除を使うことによって課税所得900万円以下の人であれば、確定申告をすることによって配当金に課された所得税が返ってきます。該当者は絶対に確定申告しましょう!
しつこい力は人生を切り開く。お金の勉強を続けることで、自分のお金に関心を持って、資産を守れる力がつきます。お金の勉強一緒に頑張っていきましょう!
ぺりでした!