葉山のぺりです! 大手外資系企業ファイナンスで20年間お仕事をしてきました。
今年の為替の円相場は目が離せない状況が続いていますね。 7月には、東京外国為替市場、日米の金利差などを背景に円安が進み、円相場は一時、1ドル=161円70銭台まで値下がりして、1986年12月以来およそ37年半ぶりの円安水準を更新しました。(出典:NHKニュース)
7月の半ばには日銀の市場介入があり8月の中旬は140円台半ばの状況が続いています。
多くの人が新NISAがスタートした影響でS&P500やオルカンなどの外国債券インデックス投資を始めた人が多いのではないでしょうか。 そこでも気にしなくてはいけないのが、為替です。
投資初心者の中にはNISAで海外のインデックス投資を始めたけど、日本円で払っているから、為替の動きは関係ないのでは?と誤解している人がいますが、残念ながら為替の動きとめっちゃ関係します。
今回は、為替相場が安定しない昨今、①為替と為替が動く仕組みを勉強し、その後②投資と為替の話をしていきたいと思います。
今回の記事では①を取り上げます。
基本的内容ですが、意外と知らないお金の話です。
のほほんと暮らしていると高い税金、手数料、社会保険をただ払い続けることになります。知ることによって、搾取される人からコントロールできる人になりませんか? その為に一緒に勉強していきましょう!
自分のお金を守るために「為替の基本」の勉強をしよう!
「為替の基本」について以下の項目で勉強していきましょう。
- 為替とは
- 為替が動く要因(長期的)
- 為替が動く要因(短・中期的)
- ここ数年の円安傾向について
それでは詳しく見ていきましょう!
冒頭まとめ
為替とは
一般的使われている”為替”とは外国為替取引のことです。商品の輸出入、外国への投資、企業が海外でビジネスをやる際などに、国外との取引の多くは外国為替を利用して金銭のやり取りをします。
自国の通貨を相手の国の通貨と交換するための市場を外国為替市場、通貨の交換比率を為替レートと言います。
この交換比率、為替レートは、需要と供給のバランスで決まります。円が欲しい人が多いと円が強くなり”円高”になります。1ドル100円が基準値であれば、1ドル90円になれば円高になります。
反対にドルが欲しい人が増えれば、円が弱くなり円安になります。今年の7月1ドル160円になりましたが、昨日まで1ドル100円で買えていたのに、今日は1ドル160円になったら、円が弱くなったってことです。
為替と私たちの生活は密接に関わっています。
身近な問題では、円安が進み、ガソリン価格や小麦やバターなどの食品価格が上昇しています。また、円安の影響で海外旅行客が増え続け、2024年には過去最高になるとの予測もあります。
私は1ドル100円くらいの時にアメリカに留学していたのですが、その当時も高い!と思っていたのですが、今留学する人はアメリカでインフレと円安のダブルパンチで、どれだけ費用がかかるのか、恐ろしくなります。
日本人は海外旅行も気軽には行けない時代になりました。
日本が海外旅行客にに人気なのも納得できます。
為替が動く要因(長期的)
特定の通貨が欲しい、いらないと考えるのはなぜでしょうか。ファンダメンタルズと呼ばれるものが影響しています。
ファンダメンタルズとは、国の国力を示す指標のようなものです。
具体的には以下のようなものがあります。
ファンダメンタルズ
- 経済成長率
- 物価上昇率(インフレ率)
- 失業率
- 財政終始の赤字、黒字率
- 経常収支の赤字、黒字額
インフレは物の値段が上がることですが、これはお金の価値が下がるということです。昨日までチョコレートが100円で買えていたのに、インフレによって120円になったとしても、お金は100円は100円です。お金の価値が下がってしまったということです。
例えば、アメリカではインフレが続き、日本でデフレが続けば、米ドルの価値は下がる一方で円の価値は上がり、為替相場は米ドル安、円高に向かいます。
貿易収支や海外投資の状況、インフレ率などの国の経済状況を示す基礎的な条件は「ファンダメンタルズ」と呼ばれ、長期的な為替の動向に大きな影響を与えます。
為替が動く要因(短期、長期)
為替相場は長期的に見ればファンダメンタルズの良好な国の通貨が高くなる傾向がありますが、短期中期的には様々な要因でマーケットは動いています。
金利差
銀行預金や債券投資では、金利が高い方がより多くの収益を得ることができます。アメリカの10年国債が現在3.882%に対して日本の国債は0.89%です。
100ドルアメリカ国債を買えば1年で4ドル弱もらえますが、日本の国債は1年に1ドルにもなりません。
経済指標
経済指標とは、政府や中央省庁、中央銀行などが公表している経済に関する統計を示します。特にアメリカなどの主要国の経済指標は、短期的に為替相場を変動させます。
GDPの成長率や、アメリカの雇用統計などのニュースが出た際は、統計の結果が予想値に大きく上回ったり、下回ったりすると、市場が混乱して為替が乱高下する要因になります。
為替介入
為替相場には政府が好ましいと考えている水準があります。
想定した水準を大きく逸脱した場合に政府が介入することを為替介入と言います。
相場に影響を与えることを目的に外国為替の売買を行うことを指します。
日本の場合には、円相場の安定を実現するために財務大臣の権限によって行われます。
その他
政変や戦争などが起きると、リスクを避けようとして関連国の通貨が売られます。
また、各国の長期国債の格付が下がったり、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)議長など、世界経済に対する影響力が大きい人物の発言などによっても、為替相場は大きく動くことがあります。
戦争が続く、ウクライナ、クーデターで政変が起きているミャンマーなどの通貨の価値は落ち続けています。
(出典:Google Finance)
ここ数年の大幅なドル高、円安
ここ数年の大幅なドル高・円安の主な原因は、日本と米国の金利差拡大です。日本銀行は経済活動を活発にするため、長らく低金利政策を維持してきました。一方で、米国はコロナ後の景気回復で起きたインフレ抑制のために、利上げを続けています。
こうして日米の金利差が開いたことで、金利が高いドルを買う動きが投資家の間で広がり、円が売られるようになったのです。
2024年に入ると日銀は利上げを発表、実行し、日米の金利差は緩和しています。それにもかかわらず記録的円安になったのは、マネクリによると投機的円売りの急増があった模様です。
金利差円劣位のピークは2023年を下回っているものの、大幅な金利差円劣位が長期化する中で、投機円売りが2024年に入り一段と拡大し、150円超の「歴史的円安」拡大を主導したと考えられる。(出典:マネクリ)
現在の円安ドル高傾向が和らぐためには、米国の物価上昇率が落ち着いたり景気が減速したりなどが必要です。アメリカ大統領選挙も注目です。
為替市場目が離せないですね!
まとめ
以上、お金の勉強って楽しい!|引き続き円安が続く日本:為替が動く仕組みを知ろう! をお伝えしました。
- 為替とは
- 為替が動く要因(長期的)
- 為替が動く要因(短期的中期的)
- ここ数年の円安傾向について
為替の基本、為替は需要と供給で決まるという話をしました。
為替が動く要因を、長期、短期・中期的視点で見てきました。
これからもお金の勉強一緒に頑張っていきましょう! ぺりでした!